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103 親戚故舊 老少異粮
Qin1qi1 gu4jiu4, lao3shao4 yi4 liang2.
食物の話題を続けながらも、少し方向をかえて、家族・縁者中の食事の様子です。
「親」は『新華字典』を見ると、第1義に「亲属,有血统或夫妻关系的」「特指父母」とあり、第4義に「亲戚,因婚姻联成的亲属关系」とあります。つい第4義を採ってしまいそうになりますが、現代漢語の「亲戚」が、結婚を通じてできた親族関係のみを指すのに対し、古代においては、父母兄弟を含め、すべての血縁・婚姻関係にある人を含みました。それゆえ、ここでは第1義を採ります(詳しく知りたい方は『辞源』の「親戚」の項目を見てください)。
「戚」はやむを得ず、第1義を採りますが、意味は上述したとおりです。
「故」は第4義。
「舊」は第2義、まさに熟語として「故旧」が載っています。
「老」は第1義「年岁大」、その1に「跟"少""幼"相对」とあります。
「少」は「一 shao3」「二 shao4」と声調により読み分けます。ここでは「年纪轻,跟"老"相对」とある後者です。
「異」は第2義、ちょうど「分居异爨」の例が挙がっています。
「粮」は第1義。
現代中国語を学習された方は、親族関係の呼称が日本語よりも複雑なのにとまどった経験がおありかと思います。特に、「内外」、つまり、父方と母方とを区別するのが特徴的ですね。
親族関係は、東洋社会においては特に重要です。異文化間における差異は当然としても、歴史的に見ると、同じ中国でも「親戚」の意味が変化していることが分かります。