2008-01-01から1年間の記事一覧

声調について

中国語には、「声调 sheng1diao4」というものがあります。すべての文字をそれぞれ決まった「音の調子」(英語でtoneといいます)で発音するのです。現代中国語(北京語)の場合、「四声 si4sheng1」といって、4種類あります(1声・2声・3声・4声)。広東語(…

004を読む

004 閏餘成歳 律呂調陽 Run4yu2 cheng2 sui4, lv4lv3 tiao2 yang2. 『新華字典』による「閏」の説明はとても詳しいですね。熟語として「闰年。闰月」が挙げられているわけも、それですんなり納得できます。 「余」を見ると、「(1-3餘)yu2 1.剩下来的,多出…

003を読む

003 寒來暑往 秋收冬藏 Han2 lai2 shu3 wang3, qiu1 shou1 dong1 cang2. 「寒」「來」「暑」「往」「秋」「冬」、すべて『新華字典』の第1義を採ります。 「收 shou1」は「1.接收,接受,跟发相对:收发。收信」ですが、「3.割取成熟的农作物:秋收。收麦子…

多音字について

中国語の漢字には、複数の発音をもつものが数多くあります。これまで出てきた例としては、「地」に「de」「di4」の2音があったこと、「宿」に「su4」「xiu3」「xiu4」の3音があったのが、それに当たります。発音の微少な差を区別することにより、意味を区別…

002を読む

002 日月盈昃 辰宿列張 Ri4yue4 ying2ze4, chen2xiu4 lie4zhang1. 「日」「月」「盈」「昃」、『新華字典』の第1義を写すだけです。 「辰」は第4義が近いのですが、正確には「星宿」の義です。残念ながら、もっと大きな辞典が必要なところです。 「宿 三 xiu…

「対」と熟語

「天地 tian1di4」という語(「词」ci2)を考えてみましょう。これは、「天 tian1」と「地 di4」とからなる「合成词」、ということになります。もちろん、「天」も「地」もそれぞれ独立して語となることもありますが、この場合は、結合して一語となっている…

「文言基礎」を作ろうと思ったわけ

志のある人が文言を学ぶ手引きになれば、と思い、このブログを書いているわけですが、これにはひとつのきっかけがあります。 私はいま英語を学んでいます。これまでも相当の時間を英語学習にかけてきたのですが、思うように効果があがりませんでした。しかし…

文法と「対」

「単漢字と熟語」のエントリーでは、文法的な説明を少ししました。これを「分かり易い」と感じる人と、「訳が分からない」と感じる人と、二通りの人がいます。日本語の古文の文法でも同じですね。分かる人と分からない人がいます。ここでは、特に「分からな…

単漢字と熟語

中国語を構成する一つ一つの単語は、中国語では「词 ci2」と呼ばれ、品詞(「词性 ci2xing4」または「词类 ci2lei4」)に分類されます。「文言」にいくつの品詞があるのかについて、手近にある『漢辞海』(第2版)の付録、「漢文読解の基礎」では、次の12種…

001を読む(下)

001 天地玄黃 宇宙洪荒 Tian1di4 xuan2huang2, yu3zhou4 hong2huang1. では、第2句目「宇宙洪荒」に進みましょう。 「宇 yu3」は「1 屋檐」ですが、目指すは「2 上下四方,所有的空间:宇内」の方です。その下に、熟語として「[宇宙]1.同宇2。2.指所有的空间…

001を読む(上)

001 天地玄黄 Tian1di4 xuan2huang2 そろそろ、『千字文』を始めましょうか?調子がでてくれば、毎日2行分(4句16字)くらいは進めそうですが、まずは1句ずつ。牛の歩みでゆきましょう。学び方を説明します。 まず、この一行を繰り返し読み上げます。20回く…

本文その一

001 天地玄黄 宇宙洪荒 Tian1di4 xuan2huang2, yu3zhou4 hong2huang1. 002 日月盈昃 辰宿列張 Ri4yue4 ying2ze4, chen2xiu4 lie4zhang1. 003 寒來暑往 秋收冬藏 Han2 lai2 shu3 wang3, qiu1 shou1 dong1 cang2. 004 閏餘成歳 律呂調陽 Run4yu2 cheng2 sui4, …

千字は多いか少ないか

『千字文』を教材として「まず千字を覚える」わけですが、この1000字というのは、「文言」を読むのに十分な数なのでしょうか? 先に「『大漢和』は5万字」と申しましたので、1000字では、いかにも心もとなく感じられることでしょう。 「文言」で用いられる漢…

千字を学ぶ

あなたは漢字を何文字ほど知っていますか?中国文化に関心をお持ちの方ならば、一般的な日本人より多くの漢字を読み書きできることと思います。 ただし、忘れないでください、この「文言基礎」では、新たに外国語として「漢字」および「漢語」を学ぶわけです…

基礎の古典

「文言」で書かれた「基本的」文献は、それこそ山ほどあり、また知らなければならない「常識」も、それと同じくらいたくさんあります。 それ以外に、初学者がとまどうのは、漢字の数の多さでしょう。諸橋『大漢和辞典』には、親文字5万余字(熟語は53万余語…

こういう方に「文言」学習をおすすめします

「文言」を読みたいと願っている方を、このサイトの主な対象と考えていますが、それ以外に、「文言を読むぞ」とまだ決意したわけではないけれども、関心はある、という方もいらっしゃることでしょう。私は志のない人に無理強いするのはいやなのですが(意欲…

旧字と新字

「学而時習之、不亦説乎。」(日本式) 「学而时习之,不亦说乎!」(中国式) 「學而時習之,不亦說乎。」(台湾式) 『論語』冒頭の一句ですが、3通りに書いてみました。比較してみると、わずかではありますが、違いがあることが分かると思います。台湾で…

新華字典を買う

この「文言基礎」では、現代中国語と文言とを一緒に学んでしまうことを目標とします。語学の学習のためには、辞典が必要です。現代中国語の辞典については、中国語の先生の指示に従ってください。小学館の『中日辞典』を推薦する人が多く、この辞典は電子辞…

中国語を学ぶ

どうすれば「現代中国語の標準音」を学べるのでしょうか? 中国か台湾に留学して専門的に学習すれば、もっとも効果的に学ぶことができますが、そういう機会に恵まれない大多数の方は、国内で「中国語」を学習することになります。 大学生や大学院生などとし…

ある思い出

最近、大学1年生の頃の中国語の授業について思い出しました。 当時、私の通った大学では、1年生に「第2外国語」の履修が義務づけられており、私は中国語を選択しました。日本人の先生による授業が週に2回、ネイティブの先生による授業が週に1回でした。週に3…

「音読」のすすめ

ここでいう「音読」とは、「現代中国語の標準音で文言を読み上げる」ことです。漢字には「形」「音」「義」の三要素があるといわれますが、そのうち、「音」はもっとも時代ごとの変化が大きかった要素です。古代の中国語の漢字音と、現代のそれとは、まった…

「訓読」の弊害

「漢文訓読」とは、「中国語(漢語)の文言を日本語として読みかえる」という、一種の翻訳作業です。 一方、一般論として、外国語を学ぶ際には、なるべく翻訳を介さずに、その言語を理解するのが理想的です。「英和辞典や和英辞典を用いずに、英英辞典を用い…

「文言」と「漢文」

「文言」とは、漢語の文語で書かれた文章です。日本において「漢文」と呼ばれているものと、かなり重複します。 中国語と日本語とでは、文法構造が大きく異なるため、日本が中国のことばと文化を受け入れた際、中国語を日本語として理解する「訓読」という方…

「文言」とは?

このブログでいう「文言(ぶんげん)」とは、「中国語(漢語)の文語で書かれた文章」のことです。 「文語(書きことば)」というのは、「口語(話しことば)」の反対であり、文章に書きつける目的のもとに、人工的に作られたことばです。文字の誕生は、「文…