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後漢の龍・鳥・魚

009 海鹹河淡 鱗潛羽翔
  Hai3 xian2 he2 dan4, lin2 qian2 yu3 xiang2.

 「海」は、『新華字典』の第1義。
 「鹹」は、「咸(2鹹)xian2」の第2義を見るわけですが、そこに「像盐的味道,含盐分多的,跟"淡"相对」とあります。まさにこの『千字文』の対と同じですね。
 「河」は第1義です。第2義が本来の義のようですが。
 「淡」は第1義、その説明は、「咸」の第2義と対になっています。
 「鱗」と「羽」は、それぞれ第1義を採るしかありませんが、そこから派生して、「鱗」「羽」をもつ生き物、ということになりそうです。
 「潛」は第1義ですが、その例として「鱼潜鸟飞」という語が出ており、『千字文』とほぼ同じで、うれしくなります。
 「翔」は1義のみ。
 対句でなっており、「海」と「河」が対(名詞)、「鹹」と「淡」が対(形容詞)、「鱗」と「羽」が対(名詞)、「潛」「翔」が対(動詞)です。ただ、前の句(海鹹河淡)と後の句(鱗潛羽翔)が対句を成しているわけではありません。「海」「河」が水に関連するので、連想として「鱗」を出したのでしょう。