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024 信使可覆 器欲難量
  Xin4 shi3 ke3 fu4, qi4 yu4 nan2 liang2.

 「信」は『新華字典』の第1義を採ります。
 「使」は第3義「让,令,叫」です。
 「可」は多音字で「一 ke3」と「二 ke4」ですが、後者は「可汗」という特別な語に用いる読みなので、前者を採ります。その第2義「能够」です。
 「覆」は意味の確定が難しいところで、いろいろな解釈が可能ですが、ここでは私案を示します。第3義に「同"复"1.2.」とありますので、「复(1-5復、5.6複)」とあるのを見ます。その第1義に「回去,返:反复。循环往复」とあります。これでもまだぴたりとはしないのですが、くりかえす、というような意味と、しばらく理解してください。
 「器」は第2義。
 「欲」は第2義でも誤りとはいえませんが、第3義「需要:胆欲大而心欲小」がより適切でしょう。
 「難」は多音字で、「一 nan2」(中古音の平声)と「二 nan4」(中古音の去声)の2音ありますが、ここでは前者です。釈義は第1義から第4義まで分かれていますが、互いに重複する部分が大きく、訓読なら「かたし」と読んで区別しないところです。ここは第1義「不容易」でよいと思います。
 「量」も多音字で、「一 liang2」(中古音の平声)と「二 liang4」(中古音の去声)の2音あります。前者の第2義に「估量」とあり、また後者の第4義に「估计,审度」とあり、意味的にかなり近接しており、本来迷うところですが、ここは韻を踏む字で、ここでは平声で読むはずですから、前者を採ります。
 これも対句を成していますが、文法的には少し複雑です。「使」「欲」は、ともに動詞の一種です。『漢辞海』の説明では、「欲」は「助動詞」ですが、助動詞を独立した品詞と見なさず、動詞に含める考え方もあるのです。この2字の共通点は、ともに単独で用いず、後にもう一つの動詞をとることです。この1行は、「信」「器」が主語(名詞)、「使」「欲」が述語(ともに動詞の一種)、「可覆」「難量」がもう一つの述語(動詞)、ということになります。「可覆」「難量」の分解は、話が混乱するのでやめておきます。