023を読む

023 罔談彼短 靡恃己長
  Wang3 tan2 bi3 duan3, mi3 shi4 ji3 chang2.

 「罔」は、『新華字典』の第2義、「无,没有」を採りましょう。「否定の副詞」ということになります。文言では「否定の副詞」が「禁止の副詞」としてはたらくことがしばしばあります。これもその例です。
 「談」は第1義。
 「彼」は第1義と第2義の差は小さいのですが、第2義を採りましょう。「彼此」の説明が詳しいので、これをよく理解してください。
 「短」は第3義です。用例として「取长补短」という熟語が載っており、「短」と「長」が対になることが分かります。
 「靡」は多音字で、「一 mi2」(中古音の平声)と「二 mi3」(中古音の上声)とがありますが、ここは「罔」と対になる「否定の副詞」、つまり後者です。
 「恃」は1義のみ。
 「己」は第1義。
 「長」は多音字で、「一 chang2」(中古音の平声)と「二 zhang3(中古音の上声)」の2音です。ここは韻を踏むべき「韻字」で、平声で読むはずですから、前者です。その第3義です。
 この第23行も対句で出来ています。「罔」「靡」が副詞(連用修飾語)、「談」「恃」が動詞(述語)、「彼短」 「己長」が名詞(目的語)です(さらに細かくいうと、「彼」「此」が代名詞で連体修飾語、「短」「長」が名詞です)。
 禁止の文なので、主語は省略されます(英語でも日本語でも同じですね)。