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棠梨の花(百度百科より)


040 存以甘棠 去而益詠
  Cun2 yi3 gan1tang2, qu4 er2 yi4 yong3.

 この1行についても、まずは典故を指摘しておきましょう。『詩経』召南の「甘棠」の詩に「蔽芾甘棠,勿翦勿伐,召伯所茇」「蔽芾甘棠,勿翦勿敗,召伯所憩」「蔽芾甘棠,勿翦勿拜,召伯所說」という三章があります。召伯という君主は、甘棠(ヤマナシ・マメナシの類)の木の下で人々のうったえを聞き、慕われ、彼がその地を去った後にも、人々は甘棠の木を大切にし、それを見ては召伯を思慕した、とのことです。
 「存」は『新華字典』の第2義がよいでしょう。
 「以」は第1義です。
 「甘」も第1義。
 「棠」は1義のみです。そのうち「1.杜梨树」がこれに近いようです。動植物の比定は容易でありません。
 「去」は第1義。
 「而」は第1義「连词」に「順接」と「转接」とが示されていますが、ここは、意味的には後者に近いでしょう。
 「益」は第3義。
 「詠」は、第1義と第2義の差が小さいですし、この場合、両方当てはまりますので、両方をノートに写してください。
 この行にて、第2段落が終了しました。字数にして320字です。