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052 都邑華夏 東西二京
  Du1yi4 hua2xia4, dong1xi1 er4jing1.

 「都」は『新華字典』によると多音字で「一 du1」「二 dou1」の二音ですが、ここでは前者の第1義です。
 「邑」は第1義の「都城、城市」で「通都大邑」の例が挙げられています。訓読では「むら」と訓ずるため、都会の意味があることを知らない人がいますが、『新華字典』ではこれが第1義です。
 「華」は多音字で「一 hua2」「二 hua4」「三 hua1」の三音ですが、ここでは「一 hua2」の第6義で、「华夏」の例も挙がっています。
 「夏」は第2義に「华夏,中国的古名」とあるのがそれです。
 「東」は第1義、「西」も第1義です。互いに「相对」の関係にあると記されています。
 「二」は第1義「数目字」です。説明は不十分です(「二」の意味を知らない人のことを想定していませんね、一桁の数字、みなこれに準じています)。
 「京」は第1義です。
 「東西二京」は、西の長安(現在の陝西省)と、東の洛陽(現在の河南省)の二つの都会のことです。古代から唐代にいたるまで、両者は大変に重要な都でした。有名な班固の「兩都賦」も張衡の「二京賦」も、ともに長安と洛陽とを詠ったものです。
 「都邑華夏」が主語、「東西二京」が述語です。前句をさらに分析すると「華夏」が目的語、「都邑」が述語(動詞)となると考えられます。「都邑」はもともと名詞に決まっていますが、それを動詞として用いたものと思います。