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070 綺迴漢惠 說感武丁
  Qi3 hui2 Han4hui4, Yue4 gan3 Wu3ding1.

 「綺」は、綺里季という人を指し、固有名詞ですが、とりあえず『新華字典』の第1義を採ります。
 「迴」は「回」の項目に「3 迴」とありますので、第3義「曲折,环绕,旋转」を採ります
 「漢」は第2義です。
 「惠」は、前漢の惠帝のことで、彼の謚号です。とりあえず第1義を採ります。
 「說」は多音字で 「一 shuo1」「二 shui4」「三 yue4」の三音ですが、ここは傅説(フエツ)という人の名で、この場合、第三の音で読みます。
 「感」は第2義「使在意识、情绪上起反应」を採ります。
 「武」は、武丁という殷の王を指します。とりあえず第1義を採ります。
 「丁」も同様に第1義を採ります。
 前句は『史記』の留侯世家に見える話を元にしており、東園公・甪里先生・綺里季・夏黃公という謎めいた四人の老人が、漢の高祖の気を変えさせ、劉盈(後の恵帝)がかろうじて皇太子の地位を保ち得たことを言っています。
 後句の方は、前句よりも時代をさかのぼり、殷の時代の話です。『史記』の殷本紀に、武丁という王が聖人の夢を見たので、その聖人を探させたところ、傅險という場所の工事を担当していた説という名の人物を見いだした、というものです。