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090 殆辱近恥 林皋幸即
Dai4 ru3 jin4 chi3, lin2gao1 xing4 ji2.
引き続き、望ましい生き方を説きます。
「殆」は『新華字典』の第1義、「几乎,差不多」でよいですが、ここでは副詞ではなく、動詞です。
「辱」は第1義。
「近」も第1義でよいでしょう。
「恥」は1義のみ。
「林」は第1義です。
「皋」は1義のみで、「水边的高地」。
「幸」は第4義「希望:幸勿推却」を採りましょう。普通は他人の行為を希望することをいうのですが(訓読では「サイハヒニ」)、ここでは自分に対して、と考えられます。
「即」は第4義「靠近」。
後句の「林皋」は『莊子』知北游篇の「山林與,皋壤與,使我欣欣然而樂與」を典故とすることばです。恥辱に近づきそうな時は、山林に逃れて自適するのが望ましい、という意味でしょう。