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089 省躬譏誡 寵筯抗極
  Xing3 gong1 ji1jie4, chong3 zeng1 kang4ji2.

 「省」は『新華字典』によると多音字で、「一 sheng3」「二 xing3」の二音です。ここでは後者の第3義、「省悟」です。「猛省前非」という例が挙がっています。
 「躬」は第1義「身体」。
 「譏」は1義のみ。
 「誡」も1義のみです。
 「寵」は第1義「偏爱」でよいでしょう。
 「筯」は1義のみ。
 「抗」はとりあえず第1義を採っておいてください。
 「極」は第4義「竭尽」です。
 この行は対句にはなっていません。前句の「譏誡」は見慣れないことばです。自分の行いを調べて警戒する、という程度の意味でしょうか。
 後句の「抗極」は「抗」も「極」も、きわまる、尽きる、という意味のようです。「抗絶」ということばが馬融「長笛賦」に見えます(「藎滯抗絶」)。君主からの寵愛が増しても、いつかそれは尽きる、の意だと思います。