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091 兩疏見機 解組誰逼
  Liang3Shu1 jian4 ji1, jie3 zu3 shei2 bi1.

 第五段落の最終行です。前行に見えた「林皋幸即」、隠退の例として、前漢の疏広・疏受の二人を挙げます。
 「兩」は『新華字典』の第1義「数目,一般用于量词和“半、千、万、亿”前」ですが、ここは次に見える「疏」という姓、固有名詞と結合しています。
 「疏」は、固有名詞ですが、とりあえず第1義を採っておきましょう。
 「見」は多音字、「一 jian4」「二 xian4」の二音ですが、ここは前者の第1義です。
 「機」は第1義「事物发生、变化的枢纽」です。
 「解」は多音字で、「一 jie3」「二 jie4」「三 xie4」と三つも音がありますが、ここは第一の音、その第2義、「解扣」「解衣服」の例が挙がっています。
 「組」は、該当するものがないので、しばらく第1義を採りますが、
 「誰」は第1義。
 「逼」は第1義でよいでしょう。
 ここに登場する「兩疏」、すなわち疏広・疏受は、叔父・甥の関係にあり、前漢の宣帝の時代、同時に皇太子の補佐役という、高位の役職を得たのですが、このような高位に二人ともいるのは身の危険と判断し、仕事を辞めて田舎に帰ってしまったそうです。『漢書』巻七一に見えるエピソードです。
 これで第五段落が終わりました。入声の「職韻」という字数の少ない韻から韻字を選んでいるため、読みにくいところが多い段落でしたね。