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梧桐

096 枇杷晩翠 梧桐早彫
  Pi2pa2 wan3 cui4, wu2tong2 zao3 diao1.

 「枇」は、『新華字典』ではまさしく「枇杷」の熟語のみが挙げてあります。単独では使用しないという取り扱いです。音はpi2paとなっていますが、文言では軽声を用いないことを思い出してください。
 「杷」を引くと、pa2としてあり、その上で「枇の条の枇杷を見よ」と書かれています。もともと、第2声であることが分かります。
 「晩」は第2義「时间靠后的,比合适的时间居后」です。
 「翠」は第3義。
 「梧」はまさに「梧桐」とあります。
 「桐」は、その3に「梧桐」とあります。
 「早」は第2義に「时间靠前,在一定时间以前」。
 「彫」は第4義に「同"凋"」とあるので、同音の「凋」を調べると、「草木零落,衰落」とあります。
 対句になっています。さらに前句・後句ともに、第1字・第2字は「きへん」でそろっていますね。
 「枇杷」は双声語です。
 「梧桐」は、和名、アオギリ。『吾輩は猫である』に、「蝉のもっとも集注するのは青桐(あおぎり)である。漢名を梧桐と号するそうだ。ところがこの青桐は葉が非常に多い、しかもその葉は皆団扇くらいな大さであるから、彼等が生い重なると枝がまるで見えないくらい茂っている。これがはなはだ蝉取り運動の妨害になる」とあります。