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115 布射遼丸 嵇琴阮嘯
  Bu4 she4 Liao2 wan2, Ji1 qin2 Ruan3 xiao4.

 最後の段落です。この行では、歴史上、一芸に秀でて有名な人物を四人、列挙しています。
 「布」は漢末の武将、呂布。固有名詞については、これまで通り、『新華字典』の第1義を採ります。以下、同様です。
 「射」は、第1義「放箭,用推力送出子弹等」。
 「遼」は熊宜遼(熊宜僚)、春秋時代の楚の武人。
 「丸」も第1義「小而圆的东西」、「弹丸」が例として挙がっています。
 「嵇」は魏の嵇康、「竹林七賢」の一人です。
 「琴」も第1義です。
 「阮」は魏の阮籍、嵇康とともに「竹林七賢」の代表人物です。
 「嘯」は、第1義「撮口作声,打口哨」です。
 ここに見える芸のうち、「射」の名人、「琴」の名手、というのは、理解しやすいと思います。では、 「丸」の名人というのは何のことでしょうか?『荘子』徐無鬼篇に「市南宜僚弄丸」という「弄丸」は、いまで言う、お手玉、ジャグリングのたぐいのようです。
 また阮籍が得意とした「嘯」というのは、ちょうど魏晋時代頃から流行した、口笛のようなもので、唐代には、一種の芸のようにみられていたそうです。