048を読む

048 節義廉退 顛沛匪虧
  Jie2yi4 lian2tui4, dian1pei4 fei3 kui1.

 「節」は、『新華字典』には「一 jie2」と「二 jie1」の二つの音を載せていますが、後者は方言なので、ここは前者で、その第8義に「操守」とあるのを採ります。
 「義」は第1義。
 「廉」は第1義。
 「退」も第1義です。
 「顛」は第3義「倒,跌」の熟語として「顛沛」が挙げられています(意味は『千字文』とずれます)。
 「沛」は1義のみ。
 「匪」は第2義、否定の副詞です。
 「虧」は第1義。
 この行は、直前の第47行「仁慈隱惻,造次弗離」と対になっています。「仁慈隱惻」「節義廉退」がそれぞれ主語、「造次」「顛沛」が連用修飾語、「弗」「匪」が否定の連用修飾語、「離」「虧」が述語です。
 また「造次」「顛沛」は、ともに『論語』里仁篇の「君子無終食之間違仁,造次必於是,顛沛必於是」を典故としています。