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088 貽厥嘉猷 勉其祗植
  Yi2 jue2 jia1you2, mian3 qi2 zhi1zhi2.

 「貽」は『新華字典』の第2義「遗留」。
 「厥」は第2義「其,他的,那个的」。
 「嘉」は第1義。
 「猷」は1義のみ、「计谋,打算」で、これでもよいのですが、「道」という意味の方がしっくりきます(『新華字典』にはありませんが)。
 「勉」は第1義。
 「其」は第1義「代词」の2「他的」でよいでしょう。
 「祗」は1義のみで「恭敬」。
 「植」は第1義でよいでしょう。
 この行は対句になっていて、「貽」「勉」がそれぞれ動詞、「厥」「其」が代名詞、目的語(名詞)になっているのは「嘉猷」「祗植」です。
 「貽厥」は、『尚書』五子之歌に「有典有則,貽厥子孫」とあり、また『詩経』大雅「文王有聲」の詩に「詒厥孫謀,以燕翼子」とあるのに基づく語です(2009年11月17日のHirshさまのご指摘により補記)。
 「祗植」のみが見慣れぬ語です。意味としては「祗修」「祗勤」(いずれも恭しく勤める意)などと近いと思いますが、韻を合わせるためにやや無理を生じ、僻語を用いたものでしょう。