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087 聆音察理 鑑貌辨色
  Ling2 yin1 cha2 li3, jian4 mao4 bian4 se4.

 「聆」は『新華字典』には1義のみ、「听」。
 「音」は第1義。
 「察」は1義のみ。
 「理」は第1義「道理,事物的规律」です。
 「鑑」は第3義。
 「貌」は第1義でよいでしょう(第2義「外表,表面」も近い意味で、こちらでもよいと思います)。
 「辨」は1義のみ。なお、我が国で混用している「弁」字は、第58行に「升階納陛,弁轉疑星」と見えました。
 「色」は、難しいのですが、第2義の「脸色,脸上表现出的神气、样子」を採っておきましょう。
 何が難しいかというと、「聆音」「察理」「鑑貌」「辨色」と、4組の「動賓構造(動詞とその目的語の組み合わせ)」が並んでいるのは間違いないのですが、前句と後句とが対になっているのかどうか、分からないのです。
 前句については「聆音」は「察理」のための手段・方法であると考えられるのに対し、後句は「貌」も「色」も表面的なものなので、単なる並列に見えてしまいます。そうであるとすると、厳密な対句にはなっていないのかも知れませんね。