001を読む(上)

001 天地玄黄
  Tian1di4 xuan2huang2

 そろそろ、『千字文』を始めましょうか?調子がでてくれば、毎日2行分(4句16字)くらいは進めそうですが、まずは1句ずつ。牛の歩みでゆきましょう。学び方を説明します。

 まず、この一行を繰り返し読み上げます。20回くらい読み上げてください。暗誦するのが目的です。私の経験からいうと、どんな難しい文章でも50回読み上げると暗誦できます。なお、暗誦の能力は若さと密接に関連していますので、若くない人はそれ相応の努力が必要です。

 次に、一文字ずつ、『新華字典』で調べてゆきます。なお、このサイトでは、2008年時点で最新版である「第10版」に依拠しますが、それ以外の版でも大差はないはずです。

 まず、使いやすいノートを用意してから始めます。カードが好きな方は、大きめのカードを用いてもかまいません。中国語の発音をピンインで記すので、横書きにした方がよいでしょう。

 「天 tian1 1 在地面以上的高空」と写します。「天」には、6つの字義が記されていますが、第1義のみ、書きます。第1義は、その字のもっとも基本的な意味ですから、『千字文』の意味にかかわらず、すべて写してください。とはいえ、『千字文』の場合、基本の意味でその字を用いることが多いのです。これも、『千字文』を教材とするメリットです。
 「地 一 di4 1 地球,太阳系九大行星之一,人类居住的星球:天地。地心。地层」と写します。「:(冒号)」以下に続く「天地。地心。地层」は、「地」を含む重要な熟語です。さっそく「天地」が出てきましたね。
 また、漢字には複数の発音がある字がかなりあり、それにより意味を区別しています。「地」の場合、『新華字典』では「一 di4」以外に「二 de」を載せています。これも写しておきましょう。
 「玄 xuan2」は「1 深奥不容易理解的:玄理。玄妙」ですが、「対」を考えて、第1義以外に、「3 鄢色:玄狐。玄青(深鄢色)」も書き留めます。
 「黄」は単に第1義を書き留めます。

 最後に、本文を数回読み上げます。以上でなすべきことは終わりです。いかがでしたか?「玄」字のみ、第1義以外の意味でしたが、初めはあまりこだわらないでください。そういう場合は、このサイトでいちいち指摘します。「対」の考え方は、かなり重要ですので、あらためて詳しく説明します。