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122 矩歩引領 俯仰廊廟
  Ju3 bu4 yin3 ling3, fu3yang3 lang2miao4.

 この行「矩歩引領,俯仰廊廟」と次の行「束帶矜莊,徘徊瞻眺」は、皇帝(梁の武帝)の御前に奉仕する、『千字文』の作者、周興嗣自身の姿を描いたものと考えられます。いよいよ、大詰めです。
 「矩」は『新華字典』の第2義「法则,规则」で、例として「循规蹈矩」を挙げています。
 「歩」は第3義「行,走」。
 「引」は第2義「拉,伸」がよいでしょう。
 「領」は第1義「颈,脖子」。
 「俯」は1義のみ、説明中に「跟"仰"相反」とあります。
 「仰」は第2義の説明に「跟"俯"相反」とあります。
 「廊」は第1義と第2義とに分ける必要があるかどうか。とりあえず、第1義でよいでしょう。
 「廟」は第1義「旧时供祖宗神位的地方」。
 この行に見える「廊廟」は朝廷を意味しますから、役人が気を引き締めて朝廷を歩いている様子だと分かります。『千字文』の作者が自分自身を作中に登場させたものでしょう。