054を読む
054 宮殿磐鬱 樓觀飛驚
Gong1dian4 pan2yu4, lou2guan4 fei1jing1.
「宮」は『新華字典』の第1義です。
「殿」も第1義。
「磐」は1義のみです。
「鬱」は第1義です。
「樓」は第1義。
「觀」は「一 guan1」「二 guan4」の二音で、建物を表す場合は、後者の音で読みます。『新華字典』の説明は「道教的庙宇」とのみありますが、ここでは楼台の意味です。
「飛」は第1義でよいのですが、比喩的な意味です。
「驚」は第2義ですが、これも比喩的な意味です。
この行は対句になっています。「宮殿」「樓觀」が主語で名詞、「磐鬱」「飛驚」は述語で形容詞です。「磐鬱」「飛驚」ともに『千字文』としては難しい語彙です。「磐」は大きな岩が脈々と連なりあう様子、「鬱」はものが未収して重なり合う様子。「飛」は建築が高くそびえて飛ぶがごとくであるさま、「驚」は不安になるほどの高いという感じでしょうか。
第52行を承け、洛陽・長安の建築を描写しています。