「文言基礎」のメリット

 『千字文』を学ぶメリットについては、以前にもお伝えしましたので、今日は、「文言基礎」メソッドの誇れるところをご披露したいと思います。手前味噌で恐縮ですが、しばらくおつきあいください。

  1. 安く「文言」を学べます。中国の伝統文化を学ぶには、確かにたくさんの書物が必要です。そこで大学で学ぶ場合、初学者にも多くの書物の購入が要求されます。ところが、それらの書物を十分に使いこなすのは、容易ではありません。教員の「あれは、いい本だよ」という一言によって購入してみたものの、部屋の隅でほこりをかぶっている、そんな経験はありませんか?「文言基礎」で必要なのは、『新華字典』一冊です。これを使いこなして、金を使わずに「基礎」を固めてください。それ以外の書物は、自分でその価値を理解し、読みこなせるようになってから購入しても遅くありません。
  2. 早く「文言」を学べます。「文言」を学ぶのは、それほど簡単ではありません。しかし、初級の段階だけ終えるというならば、それほど難しくはないものです。ところが多くの指導者は、しばしば学生を初級の段階にとどめおき、なかなか終了させてくれません。それゆえ、何年学んでも、達成感がありません。一方、この「文言基礎」は1年で終了できる予定で計画を立てています。こういうことは速度が肝腎です。1年努力して、そしてさっさと次の段階にゆきましょう。
  3. 基礎から「文言」を学べます。「現代中国語の発音によって文言文を読む」という方法自体は、日本中の大学の中国文学科の授業で広く行われています。しかしながら、授業では結構難解なものを取り上げることが多く、「発音調べに明け暮れ、何が何だか分からなかった」という例も少なからず見聞きします(私もそういう申し訳ないことをした覚えがあります。この場を借りてお詫びします)。すでに「文言」を学ばれたことのある方も、「文言基礎」ですっきりと「基礎」知識の整理が出来るかも知れません。

 なお、同じく「基礎」といっても、指導者によって考え方がまったく違います。「中国語として文言文を読む」ための適当な教科書さえ我が国にない現状(そんな「外国語」が、ほかにあるでしょうか?)、学ばれる方も、とまどうばかりでしょう。「文言基礎」の場合、学習方針・方法を明示していますので、それに同意していただける方は、どうぞよろしくおつきあいください。