中国語を学ぶ

 どうすれば「現代中国語の標準音」を学べるのでしょうか? 中国か台湾に留学して専門的に学習すれば、もっとも効果的に学ぶことができますが、そういう機会に恵まれない大多数の方は、国内で「中国語」を学習することになります。
 大学生や大学院生などとして、総合大学に所属している方は、おそらく多くの大学にコースが用意されている初級中国語を履修できるはずです。ぜひとも、これを活用してください。大学の授業というのは、利用の仕方によってはきわめて役立つものです。総合大学ともなれば、あらゆる分野の専門家がそろっているわけですから。多くの学生諸氏が、履修を義務のようにのみ考え、権利と考えないのは、惜しいことです。
 大学に所属していない方は、カルチャーセンターの講座か、個人指導をしてくれる中国人をさがすのがよいと思います。
 それ以外に、テレビ・ラジオの語学番組や最近よく見かけるCD付きの教材で独習する、というのも一つの方法ではありますが、中国語を独学でマスターしたという方は多くないようです。
 なぜ独習が成功し難いかというと、その最大の理由は、中国語の場合、「発音」を徹底的に練習して、聞き取りと発音とを身につけない限り、それ以上先に進めないからなのです。中国語に文法がないわけではありませんが、中国語の発音が完全に身についていなければ、「文法をしっかり学んで文章構造を読み解く」といった、英語やドイツ語の学習者がよく採る方法で、中国語をマスターすることはほとんど不可能です。
 多くの大学の初級中国語の授業では、発音の指導に多くの力と時間を注ぎます。しつこいくらいに言い直しをさせるのが、よい先生でしょう。ところが、独習の場合、どのくらい徹底的に自分の発音を鍛えればよいのか、感覚的につかめません。大学の授業の履修者でも、発音練習を「子供じみている」と侮って怠る学生が少なくありませんが、これでは進歩は望めません。
 しかしながら、やむを得ず独習を選ぶしかない場合もあるでしょう。その際は、とにかく音声教材の発音を注意深く聞き取り、繰り返し、大きな声で、口に出して練習することをおすすめします。そして機会を見つけ、中国語の分かる人に自分の発音を矯正してもらうことです。
 このようにして半年も現代中国語の発音を練習すれば、『詩経』や『論語』を自分の声で美しく読み上げられるようになるのです。