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007 劍號巨闕 珠稱夜光
  Jian4 hao4 Ju4que4, zhu1 cheng1 Ye4guang1.

 「劍」は、『新華字典』では1義のみです。
 「號」には、「一 hao4」と「二 hao2」の2音があります。後者は「1大声呼喊。2大声哭」とあります。これではなさそうです。しかしながら、前者にもそれらしいものが見あたりません。とりあえず、前者の第1義を採っておきましょう。後でもう一度考えてみます。
 「巨」は1義のみです。
 「闕」は多音字で、「一 que4」と「二 que1」の2音です。これを確定するのは容易ではありません。大型の辞書『漢語大詞典』を見ると、前者の音として「古劍名」の義が出ていますので、これに従います。
 「珠」は第1義です。
 「稱」は多音字で、「一 cheng1」「二 chen4」「三 cheng4」の3音がありますが、ここでは「一 cheng1」の第5義「赞扬」です。
 「夜」「光」はそれぞれ第1義を採ります。
 この第7句も完全な対句です。「劍」「珠」が対(名詞)、「號」「稱」が対(動詞)、「巨闕」「夜光」が対(名詞)です。
 さて、ここで懸案の「號」に戻りましょう。この字は「稱」と対になりうる動詞であるはずですね。『新華字典』にはそれに相当するものがないのですが、より大きな辞典を見れば、「宣稱」などの義が見つかることと思います。文意を確定する最大の手がかりは、やはり「対」なのです。『千字文』を読んで、「対」の感覚を身につけてください。