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020 恭惟鞠養 豈敢毀傷
  Gong1 wei2 ju1yang3, qi3 gan3 hui3shang1.

 「恭」は『新華字典』では1義のみ。
 「惟」は第1義を採ります。
 「鞠」「養」も第1義です。「鞠養」は類似した意味の動詞2字を重ねた熟語で、動詞です。
 「豈」は、1義のみで、「副词,表示反诘。1.哪里,怎么。2.难道」とあります。〈古〉(古代の用法、すなわち文言の用法)として、「又通“恺”“凯”(kai3)」とありますが、ここでは当てはまりません。
 「敢」の記述は少しおかしいのですが(『新華字典』の体例に合いません)、第1義に見える「谦辞:敢问。敢请」を採っておけばよいでしょう。
 「毀」は第1義。「傷」は第2義です。「毀傷」も類似した意味の動詞2字を重ねた熟語で、動詞です。
 この第20行は対句になっています。上の句の「恭」「惟」はともに副詞で、動詞「鞠養」を連用修飾しています。下の句の「豈」「敢」もともに副詞で、動詞「毀傷」を連用修飾しています。主語は第19行に見える「此身髪」と考えられます。「此身髪」を「鞠養」するというのは少し違和感がありますが、いわんとすることは伝わります。