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037 篤初誠美 慎終宜令
  Du3 chu1 cheng2 mei3, shen4 zhong1 yi2 ling4.

 「篤」は『新華字典』の第1義です。
 「初」は1義のみ。
 「誠」は第1義「真心」が本義でしょうが、この場合は副詞で、第2義「实在,的确」がそれに当たります。
 「美」は第1義。
 「慎」は1義のみ。
 「終」は第1義。
 「宜」は第2義「应该,应当」が相当します。
 「令」は多音字で、「一 ling4」「二 ling3」の2音ですが、後者は英語のreamの音訳という、特殊な量詞(ものを数える単位を表す詞)なので除外できます。前者にはあわせて7義載っていますが、このうちの第6義「美好,善」です。
 この行は対句になっています。「篤初」「慎終」が主語、「美」「令」が述語です。「誠」は副詞、「宜」は助動詞ですが、ともに述語にかかっています。
 ただし、ほかの多くの対句が単に事柄を並列しているのと異なり、前句と後句に脈絡が生じています。「誠」の字が譲歩を表しているのです(日本語でいう「確かに…ではあるが」)。ですから、韻の問題を度外視しても「慎終宜令,篤初誠美」とはいえないのです。