059を読む
059 右通廣内 左達承明
You4 tong1 Guang3nei4, zuo3 da2 Cheng2ming2.
洛陽・長安の描写が続いており、この行も宮中の様子を記します。
「右」は『新華字典』の第1義。
「通」も第1義です。
「廣」「内」ともに、とりあえず第1義を採ることにしましょう(後述の通り、「廣内」で固有名詞)。
「左」は第1義。
「達」は第1義「通,到达」、例として「四通八达」が挙げてあります。
「承」「明」も、とりあえず第1義を採ります(「承明」も固有名詞)。
「廣内」「承明」ともに、前漢の都、長安に存在し、宮中たる「未央宮」にあった建物です。「廣內」は劉歆『七略』(『漢書』芸文志に引く)に「外則有太常﹑太史﹑博士之藏,內則有延閣﹑廣內﹑祕室之府」とあります。「承明」の方は『漢書』成帝紀、鴻嘉二年(紀元前19)の記事に「三月,博士行飲酒禮,有雉蜚集于庭,歷階升堂而雊,後集諸府,又集承明殿」と見えます。
廣内・承明殿とも、学問に関係する建築のようです。禁中から右(西側)に行くと廣内が、左(東側)に行くと承明殿がある、という記述です。もちろん対句になっています。