文法

動詞と形容詞

『千字文』の第49行は「性靜情逸,心動神疲」という対句ですが、これについて、次のようなクイズを出しました。 訓読で表現すると「靜かなり」と「動く」とが対をなし、また「逸(やす)らかなり」と「疲る」とが対をなしています。品詞は一致しているのか、…

古漢語の品詞と『漢辞海』

『漢辞海』という辞書があります。三省堂から出版されている辞書で、第1版が2000年に、第2版が2006年に出ました。戸川芳郎氏による「監修者のことば」の中に、次のような記述があります。 漢字を単に和訓に置き換えるのではなく、漢語(Chinese word)として…

「変調構詞」の考え方

孫玉文氏の『漢語変調構詞研究』(北京大学出版社、2000年)という書物を読みました。ずいぶん前に出版されたもので、いまでは増訂本(商務印書館、2007年)も出ているそうですが、今回読んだのは初版の方です。 さて、書名にもなっている「変調構詞」とは、…

「対」と熟語

「天地 tian1di4」という語(「词」ci2)を考えてみましょう。これは、「天 tian1」と「地 di4」とからなる「合成词」、ということになります。もちろん、「天」も「地」もそれぞれ独立して語となることもありますが、この場合は、結合して一語となっている…

文法と「対」

「単漢字と熟語」のエントリーでは、文法的な説明を少ししました。これを「分かり易い」と感じる人と、「訳が分からない」と感じる人と、二通りの人がいます。日本語の古文の文法でも同じですね。分かる人と分からない人がいます。ここでは、特に「分からな…

単漢字と熟語

中国語を構成する一つ一つの単語は、中国語では「词 ci2」と呼ばれ、品詞(「词性 ci2xing4」または「词类 ci2lei4」)に分類されます。「文言」にいくつの品詞があるのかについて、手近にある『漢辞海』(第2版)の付録、「漢文読解の基礎」では、次の12種…