字書・辞書

虚詞辞典を使う

別ブログ「学退筆談」で、3回にわたり、虚詞辞典を取り上げました。お読み下さい。 虚詞の辞典 古代漢語虚詞詞典 古代漢語虚詞詞典の附録 「文言基礎」でも、その『古代漢語虚詞詞典』(商務印書館、1999)を使ってみましょう。 先日お示しした、『詩経』召…

『辞通』を使ってみる

前回、第108行に「矯手頓足,悦豫且康」と見えた「悦豫」は双声語です。現代中国語の発音、日本漢字音で発音してみて、双声・畳韻語であると思えるものについては、『辞通』に当たって調べてみましょう。 ただしこれは、いわば応用編に当たる学び方なので、…

経典釈文

一つの漢字に複数の音がある場合、それは「多音字」と呼ばれます。この「文言基礎」でも、多音字については一々指摘しています。しかし古代においては、一つの漢字を「読み分ける」習慣は、どうやら、存在しなかったらしいのです。つまり、多音字はなかった…

『辞通』について

先日、コメント欄にてご要望いただいた、双声・畳韻語を調べるための工具書、『辞通』を「学退筆談」にて、3回にわたり、ご紹介いたしました。よろしければ、ご一読ください。 音に因りて義を求む 首施とは何ぞや?『辞通』編纂始末 『辞通』の価値が分から…

藝のはなし

第83行「俶載南畝,我藝黍稷」にちなんで、「藝」のおはなしをしたいと思います。 といっても、もちろん、藝の道の達人のおはなしではなく、「藝」という漢字のことです。 「藝」が現在の日本では「芸」と表記されるが、もともと「藝」(漢音「ゲイ」)と「…

古漢語の品詞と『漢辞海』

『漢辞海』という辞書があります。三省堂から出版されている辞書で、第1版が2000年に、第2版が2006年に出ました。戸川芳郎氏による「監修者のことば」の中に、次のような記述があります。 漢字を単に和訓に置き換えるのではなく、漢語(Chinese word)として…

古代の字書、『爾雅』

いつの時代に出来たものか、よく分かりませんが、『爾雅』という書物があります。「周公がその一部を作った」という説から、「漢代の儒者が作った」という説までありますが、ともかくも中国で一番古い字書であり、儒教の経典を理解するためには欠かせない参…

多音字について

中国語の漢字には、複数の発音をもつものが数多くあります。これまで出てきた例としては、「地」に「de」「di4」の2音があったこと、「宿」に「su4」「xiu3」「xiu4」の3音があったのが、それに当たります。発音の微少な差を区別することにより、意味を区別…

新華字典を買う

この「文言基礎」では、現代中国語と文言とを一緒に学んでしまうことを目標とします。語学の学習のためには、辞典が必要です。現代中国語の辞典については、中国語の先生の指示に従ってください。小学館の『中日辞典』を推薦する人が多く、この辞典は電子辞…