多音字 の検索結果:

038を読む

…ましょう。 「藉」は多音字で、「一 jie4」「二 ji2」の2音です。原則的には本義に近い「一」の音を採るのですが、ここではその原則に従えません。「藉甚」は典故のあることばで、『史記』酈生陸賈列伝に「陸生以此游漢廷公卿間,名聲藉甚」とあるのによっており、この場合、後者の音で読むことになっています。『新華字典』の説明にはないのですが、「ji2」と読む場合、「盛」という義があります。『史記』はそのような意味です。 「甚」は多音字で「一 shen4」「二 shen2」の2音ありま…

037を読む

…当します。 「令」は多音字で、「一 ling4」「二 ling3」の2音ですが、後者は英語のreamの音訳という、特殊な量詞(ものを数える単位を表す詞)なので除外できます。前者にはあわせて7義載っていますが、このうちの第6義「美好,善」です。 この行は対句になっています。「篤初」「慎終」が主語、「美」「令」が述語です。「誠」は副詞、「宜」は助動詞ですが、ともに述語にかかっています。 ただし、ほかの多くの対句が単に事柄を並列しているのと異なり、前句と後句に脈絡が生じています。「…

035を読む

…1義のみ。 「澄」は多音字で、「一 cheng2」(平声、形容詞)と「二 deng4」(去声、動詞)の2音です。ここでは前者です。「多音字と去声」のエントリーを参考にしてもらうとよいでしょう。 「取」は、ピタリとくるものがなかなかありませんが、強いて選ぶなら、第2義「从中拿出合乎需要的」でしょう。 「映」は1義のみです。ただし、智永の写本を見ると、「暎」の字に作っています。基本的にこのページでは、智永の本に従いたいのですが、この字は調べづらいので、便宜的に同音同義の「映」の字…

多音字と去声

…に複数の読みがある「多音字」が少なくないことについては、「多音字について」のエントリーで紹介しました。 その「多音字」の中でも、声調のみを区別することによって、品詞や意味の違いを言い分けている例が多いことに気づかれた方はいらっしゃいますか? 声調を中古音で説明すると、中でも特に「平声」と「去声」とが区別される場合が多いことが分かります。第1行から第34行までの中で、その例を挙げてみましょう。 005「為」 wei2(平声)/wei4(去声) 007「號」 hao2(平声)/h…

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…eng4. 「似」は多音字で、『新華字典』では「一 si4」「二 shi4」の2音ですが、文言では前者のみ用います。この第1義です。 「蘭」は1義のみ。 「斯」は、『新華字典』では第1義が代名詞、第2義が接続詞です。しかし、この文脈ではいずれも当てはまりません。この「斯」は助詞で、「之」と同様のはたらきをします。とりあえず、ノートには第1義を写しておいてください。 「馨」は1義のみ。 「如」は第2義です。 「松」は第1義です(第2義以下は「鬆」の簡化字)。 「之」は第1義に「…

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…あります。 「薄」は多音字で、「一 bao2」「二 bo2」「三 bo4」の3音あります。意味上は「一 bao2」「二 bo2」のどちらでもかまいません(「bo2」の第1義を見ると「同“薄”一」とあります)。ただ文言文では、「bo2」の音を用います。なお、この「薄」は「薄冰」の略です。 「夙」の第1義に「夙兴夜寐」の例が挙げてあります。『詩経』に基づくこれらの語句が、現代においても定着していることが分かります。 「興」は多音字で、「一 xing1」「二 xing4」の2音あり…

032を読む

…ります。 「當」は、多音字で、「一 dang1」(中古音の平声)、「二 dang4」(中古音の去声)の2音ありますが、ここでは前者、その第5義です。「应当,应该」と簡単な定義です。助動詞と考えられます。次にくる「竭」が動詞になります。 「竭」は1義のみ。「竭力」がまさにその用例としてあげられています。 「力」は第1義です。 「忠」は1義のみですが、「赤诚无私,诚心尽力」と説明されており、封建道徳としての意味に限定されてはいません。 「則」は第4義の「连词」(接続詞)と、第5義…

031を読む

…残念です。 「父」は多音字で「一 fu4」「二 fu3」の2音ですが、「基本的に前者を採る」原則に従い、前者を採ります。その第1義です。 「事」は第6義、「旧指侍奉」がこれに当たります。「文言」ですから、「旧」と書いてある項目は要注意です(項目の説明の後方に退けられていますが)。 「君」は1義のみ、やはり「封建时代」云々の説明があります。 「曰」は第2義でよいでしょう。 「嚴」は第2義。 「與」は多音字で、「一 yu3」(中古音の上声)、「二yu4」(中古音の去声)、「三yu…

030を読む

…ng4. 「尺」は、多音字で『新華字典』では「一 chi3」「二 che3」の2音ですが、ここは前者、その第1義です。ただ、これは「市制」すなわち、現在の制度に基づいた説明です。 「璧」は1義のみ。 「非」は第1義に「跟“是”相对」とあり、これを採ります。ただし、「1.不,不是。2.不合理的,不对的」とあり、前者は否定の副詞、後者は形容詞であり、用法がまったく違います。「是」と対にして説明しようとして、無理が出たのでしょう。ここでは前者の方です。 「寶」は第2義です。 「寸」…

029を読む

…でしょう。 「惡」は多音字で「一 e4」「二 wu4」「三 e3」「四 wu1」の4音があります。その「一」の第3義に「跟“善”相对」とありますので、これを採ります。この字の読みわけは一見面倒ですが、難しくはありません。よく理解しておいてください。 「積」は第1義を採ります。 「福」は1義のみ。 「縁」は、述語と考え、第1義を採りますが、『新華字典』の説明がいまひとつ曖昧で、品詞をどのように考えているのか、はっきりしません。この対句の中では、動詞に当たります。 「善」は第2義…

028を読む

…ng1. 「空」は、多音字で、『新華字典』によると「一 kong1」(中古音の平声)と「二 kong4」(中古音の去声)の2音です。両者の読み分けはわりと難しいのですが、これまでも繰り返しているように、迷った時は、前者(つまり『新華字典』の「一」、より基本的な読み)に従ってください。ここはその第1義です。 「谷」には第1義から第5義までありますが、「2-4穀」とあるとおり、第2義から第4義までは「穀」の簡体字として使われるものです。ここでは第1義です。 「傳」は多音字で、「一…

027を読む

…でしょう。 「正」は多音字で「一 zheng4」(中古音の去声)と「二 zheng1」(中古音の平声)の二つですが、ここでは前者、その第1義です。後者は「正月」という時にのみ用いる特別な読みです。 上の句の文法は、「紱」が名詞(主語)で「建」が動詞(述語)、「名」が名詞で「立」が動詞、となっており、句の内部で対を成しています。下の句は、「形」が名詞(主語)で「端」が形容詞(述語)、「表」が名詞で「正」が形容詞と、同様に句の内部で対を作っています。上の句と下の句もいちおう対句で…

026を読む

…どめます。 「行」は多音字で、「一 xing2」「二 hang2」の2音です。これも出典を知らなければ決められないのですが、ここでは前者の第6義を見てください。「(旧读xing4)足以表明品质的举止行动:言行。品行。紱行。操行。罪行」とあります。「旧读」に従って、去声で読むのはもちろんかまわないのですが(『千字文』の書かれた時代でもそう読まれたはずです)、とりあえず、平声で読んでおきたいと思います(押韻字ならば、多少の無理をしてでも「旧读」に従ってもよいのですが)。 「維」は…

024を読む

…叫」です。 「可」は多音字で「一 ke3」と「二 ke4」ですが、後者は「可汗」という特別な語に用いる読みなので、前者を採ります。その第2義「能够」です。 「覆」は意味の確定が難しいところで、いろいろな解釈が可能ですが、ここでは私案を示します。第3義に「同"复"1.2.」とありますので、「复(1-5復、5.6複)」とあるのを見ます。その第1義に「回去,返:反复。循环往复」とあります。これでもまだぴたりとはしないのですが、くりかえす、というような意味と、しばらく理解してください…

023を読む

…かります。 「靡」は多音字で、「一 mi2」(中古音の平声)と「二 mi3」(中古音の上声)とがありますが、ここは「罔」と対になる「否定の副詞」、つまり後者です。 「恃」は1義のみ。 「己」は第1義。 「長」は多音字で、「一 chang2」(中古音の平声)と「二 zhang3(中古音の上声)」の2音です。ここは韻を踏むべき「韻字」で、平声で読むはずですから、前者です。その第3義です。 この第23行も対句で出来ています。「罔」「靡」が副詞(連用修飾語)、「談」「恃」が動詞(述語…

これぞ初学のかがみ、『千字文』暗誦!

…紹介している『千字文』と異同があります。ある程度、練習を続けていれば、聴いていて違いが分かるはずですので、気をつけてみてください。 多音字など、発音の選択に問題がある場合、「文言基礎」で紹介している読みと異なる場合がかなりあります。注意してください。 韻を意識して聴いてください。 まず、だいたいの感じをつかむつもりで聴いてみてください。そしてさらに、自分である程度練習してから、あらためてこれを繰り返し聴いてください。記憶を定着させるのにも役立つと思います。本当によい教材です。

022を読む

…」「二 guo1」の多音字ですが、後者は「姓」なので、前者を採ります。その第6義ですが、例として「改过自新。知过必改」とあります。まさに『千字文』と一致します。 「必」は、発音のすぐ後に「副词」とありますので、副詞として用いられることが分かります。その第2義です。 「改」は第3義です。その例に「知过必改」とあります。『新華字典』の場合、同じ例が重複して挙げられることは多くないのですが、ここでは「過」のところと重複しているわけです。そうとうに熟したことばなのでしょうね。 「得」…

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…『新華字典』によると多音字で、「一 gai4」「二 ge3」ですが、後者は「姓」とありますので、問題外です。前者の第6義に「文言虚词。1发语词:盖有年矣」とあります。 「发语词 fa1yu3ci2」というのは、文章を新たに開始する時に文頭に置く語です。「夫」の「二 fu2」も、代表的な「发语词」です。品詞分類は容易ではありません。「助詞」と考えられますが、「副詞」「語気詞」(『漢辞海』の解説では設けられていません)などと、さまざまな解釈ができます。 「此」は第1義。文言の代表…

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…『新華字典』によると多音字で、「一 hua4」と「二 hua1」の2音ありますが、後者は文言では用いません。よって前者です。そのうちの第2義です。「感化。教化。潜移默化」の例が挙がっていますが、儒教における重要な概念でもあります。 「被」は第2義。 「草」「木」はともに第1義です。 「賴」は、第1義が近いので、とりあえず、これを採ります。しかし、ここでは「化」と対になっており、名詞です。大きな辞書には「利益」の義が載っています。 「及」は、第1義の「2.达到:由表及里。将及十…

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…れ第1義。 「食」は多音字で、「一 shi2」(中古音の入声)、「二 si4」(中古音の去声)の2音です。ここでは、前者の第1義です。 「場」も多音字で、「一 chang2」(中古音の平声)と「二 chang3」(中古音の上声)の2音で、意味を見比べても、どちらを選べばよいのか戸惑うかも知れませんが、ここでは前者です。近似値として第1義を採りましょう。行の最後は韻字で、そしてこの部分、平声で韻を踏んでいるので、意味を考えるまでもなく、平声の「chang2」を選びます。 文法的…

016を読む

…いです)。 「率」は多音字で、「一 shuai4」「二 lv4」の2音が載っていますが、ここでは前者です。 「賓」は1義のみなので、それを書き写しますが、実は同音の「濱」字の音通です。その1義を採ってください。 「率賓」は、『詩経』小雅、北山の詩に「率土之濱,莫非王臣」とあるのに基づく語です。古代の中国では、海は地の果てと考えられていたので、海辺と言えば辺境です。意味は、「領土のうち、浜辺から内側は、すべて」ということで「四海之内」と同様の意のようです(王引之の説)。『新華字…

014を読む

…ります。 「朝」は、多音字で、『新華字典』によると「一 chao2」と「二 zhao1」の2音です。ここでは、前者の第3義です。 「問」は第1義。 「道」は、第3義「道理,正当的事理」です。 「垂拱」「平章」は、それぞれ2字からなる動詞です。まず1字ずつはじめましょう。 「垂」「拱」はそれぞれ第1義を採ります。 「平」は、第3義の「安定,安静:平心静气。风平浪静」です。 「章」は、なかなかぴったりとくるものがありません。同音の「彰」の方の義に近いので、こちらを採ってください。…

011を読む

…2義です。 「衣」は多音字で、「一 yi1」(中古音の「平声」、名詞)、「二 yi4」(「去声」、動詞)という区別がありますが、ここでは前者、その第1義です。「衣服(fu)、衣装(shang)」と定義されています。「衣裳」と熟しているわけですね。 次に「裳」を引いてみると、「一 chang2 遮蔽下体的衣裙」「二 shang [衣裳]衣服」とあります。後者には、声調の記号が付いていません。こういう声調のないものを「轻声qing1sheng1」(軽声)と呼びます。現代中国語には…

008を読む

…g2」との2音を持つ多音字ですが、ここでは前者の第6義です。この字も読み分けに注意が必要です。迷うことがあります。 「芥」は「一 jie4」「二 gai4」の二音ですが、どちらも野菜の名です。こういうどちらでも大差ない時は、「一」の方(つまり、より基本的な方)を採っておきましょう。 「薑」は、「姜(1薑)jiang」の第1義ですね。 この第8行目は、それ自体、対句を成しています。しかも、第8行と第7行とは同じ文法構造になっており、これもより大きな対句です。この2行をあわせて読…

007を読む

…のみです。 「闕」は多音字で、「一 que4」と「二 que1」の2音です。これを確定するのは容易ではありません。大型の辞書『漢語大詞典』を見ると、前者の音として「古劍名」の義が出ていますので、これに従います。 「珠」は第1義です。 「稱」は多音字で、「一 cheng1」「二 chen4」「三 cheng4」の3音がありますが、ここでは「一 cheng1」の第5義「赞扬」です。 「夜」「光」はそれぞれ第1義を採ります。 この第7句も完全な対句です。「劍」「珠」が対(名詞)、「…

006を読む

…の読音です。この字は多音字で、「一 li4」(中古音の「去声」)、「二 li2」(中古音の「平声」)と、2音あります。「二 li2」を見ると、[高丽][丽水]の場合、この音で読むとあります。そして「丽水」は「地名,在浙江省」とあります。一応、これに従っておきます。金を産出する「麗水」の名は、古くは『韓非子』に見えるのですが(『漢語大詞典』を引くとそれが分かります)、それがいったいどこにあるのか、諸説あるようです。ここでは、ひとまず、浙江省のそれと考え、平声に読んでおきます。 …

005を読む

…3義です。 「為」は多音字で、「一 wei2」(中古音の「平声」)と「二 wei4」(中古音の「去声」)の2音があり、これは文言でも、現代中国語でも、しばしばどちらなのか迷います。専門家や大学院生が寄り集まって読書会をするときにも、よく議論の的となる字です。ここでは前者の第3義「成为,变成:一分为二。高岸为谷,深谷为陵」を採ります。 「霜」は、第1義を採ります。 この第5行は、上の句と下の句が対句でできています。 また、このでは、複数の読みを持つ字が多く出てきました。『新華字…

004を読む

…いう2音ありますが(多音字です)、ここでは前者です。 「阳(陽)」は第2義です。長い説明ですが、この字がどのように認識され、使われるのかが、よく分かります。がんばって写してください。ただ、「律呂調陽」の句の意味は分かりにくいかも知れません。しかし、これをいま分かろうとする必要はありません。というより、この段階では、分かろうとしないでくだいさい。 この行は対句でできており、「閏餘」と「律呂」が対(ともに名詞)、「成」「調」が対(ともに動詞)、「歳」「陽」が対(ともに名詞)です。…

003を読む

…逃してはなりません。多音字です。 この一行は、001や002とは違っています。001と002は、すべて2字の語からなっていましたが、この行はすべて1字の語からできています。ただ、「寒」は「暑」と、「來」は「往」と、 「秋」は「冬」と、「收」は「藏」と、いずれも対になっています。「寒暑來往,秋冬收藏」として、それぞれ2字の語にしても意味は変わらないのですが、そうはなっていません。 なお、前句「寒來暑往」は『易』繫辭傳下に「寒往則暑來,暑往則寒來,寒暑相推而歳成焉」をあるのを典故…

多音字について

…「読み分け」が必要な多音字となっている傾向があります。初心者からすると、音が複数あるのは面倒なのですが、仕方ありません。英語やドイツ語の動詞が、重要な語に限って不規則な変化をするのとちょっと似ています。 漢字をたくさん知っているからといって、中国語に関する教養がある証拠にはなりませんが、「読み分け」は確実に把握しておくことが大切です。「読み分け」を間違えると、その人の教養に疑問符がつきかねません。中国人の学者の中にも、「読み分け」に無頓着な人がまれにありますが、感心できません…